辻斬り
ある中学校で自殺した、いじめられっ子の少女Aは自らの手記にスラッシュメールの事を残していた。
「水曜日、お母さんからの用事なのかと思って、メールを開けた。そこには「…お前を殺してやる…」と書かれたメッセージ。誰かのいたずらかと思って、あて先を見たら、あるのは「/」の一文字のみ。受け取ったら間違いなく殺される――スラッシュメールが何で私のところに? お母さんに言おうかと思った。でも、きっと信じてくれない。言ってもし問題になったら私、学校でますます相手にされない…きっとますますいじめられる…先生は私の妄想がまた始まったとしか言わない。どうせ私は、何の注目も受けない、社会のごみだ。気付いてくれないのなら、こうして殺された方がまだいいのかも。みんなが悲しんでくれるかも。私のほかの誰かは助かるかも……何かのせいに出来るのならこのまま殺してくれたらいいのに――送った犯人が誰かなんてもうどうでもいい。殺すのが誰かだなんて、どうでもいい。こんな見えない苦しみが続くなら、早く殺してくれたらいい」
「水曜日、お母さんからの用事なのかと思って、メールを開けた。そこには「…お前を殺してやる…」と書かれたメッセージ。誰かのいたずらかと思って、あて先を見たら、あるのは「/」の一文字のみ。受け取ったら間違いなく殺される――スラッシュメールが何で私のところに? お母さんに言おうかと思った。でも、きっと信じてくれない。言ってもし問題になったら私、学校でますます相手にされない…きっとますますいじめられる…先生は私の妄想がまた始まったとしか言わない。どうせ私は、何の注目も受けない、社会のごみだ。気付いてくれないのなら、こうして殺された方がまだいいのかも。みんなが悲しんでくれるかも。私のほかの誰かは助かるかも……何かのせいに出来るのならこのまま殺してくれたらいいのに――送った犯人が誰かなんてもうどうでもいい。殺すのが誰かだなんて、どうでもいい。こんな見えない苦しみが続くなら、早く殺してくれたらいい」