辻斬り
「墓参りには行ったんですか?」
「いや、墓の場所を忘れてしまってな。ま、明日ゆっくり探すことにするさ。発電機の電源も入れたから、外灯ももうすぐ付くだろう」

灘はそう言ってその場で寝転んだ。
この状況でよくすぐ横になれる、と鴻上は不思議がった。

「あのー、紀伊先生?」
「…紀伊でいい。先生はやめろ」
「では紀伊さん、あのう、実際のとこ、いつまで調査するんですか?」
「そうだな。長くて、1週間」
「1週間っ!??」

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