可愛くなりたい
「なぁ、洸?」
数学の授業中。
前の席の洸に話しかけた。
「……なに?」
好きな数学を邪魔されて
洸は不機嫌だ。
「好きなタイプとか
あるのか?」
僕の質問に洸は吹いた。
……?
なんで顔が真っ赤なんだ?
変な奴だなあ……
すると洸は
前に向けていた体を
僕の方へと向けてくれた。
「なんで俺に
そんな事を聞くんだよ?」
「好きなタイプとか
あるのかなぁ…って♪」
ニコッと笑って
僕は答えた。