俺と彼女と、ご主人様。【BL】
1.朝の挨拶
【1.朝の挨拶】
「おはよう、アンナ。
今日もいい天気だね」
今日も今日とて、俺の愛しい彼女は
機嫌が良さそうに優雅に尻尾を振っている
「ああ、なんでそんなにも美しいんだ!」
風にそよぐ金髪は、
日光によってキラキラと輝いている。
まるで、絵画の中のビーナスだ。
「おはようございます」
俺を見つめる1対の瞳は、
黒曜石のように深い黒い色味で
けれどもそこには、
優しさや慈愛が含まれている。
「君は俺の女神だよ!」
「磯上さん、おはようございます」
俺は人間、彼女は犬。
種族は違えど、この愛は本物だ。
彼女以上に愛せるものなど、
この世界には存在しまい。