俺と彼女と、ご主人様。【BL】
1.朝の挨拶

【1.朝の挨拶】


「おはよう、アンナ。
 今日もいい天気だね」

今日も今日とて、俺の愛しい彼女は
機嫌が良さそうに優雅に尻尾を振っている


「ああ、なんでそんなにも美しいんだ!」

風にそよぐ金髪は、
日光によってキラキラと輝いている。

まるで、絵画の中のビーナスだ。


「おはようございます」


俺を見つめる1対の瞳は、
黒曜石のように深い黒い色味で
けれどもそこには、
優しさや慈愛が含まれている。


「君は俺の女神だよ!」

「磯上さん、おはようございます」


俺は人間、彼女は犬。
種族は違えど、この愛は本物だ。

彼女以上に愛せるものなど、
この世界には存在しまい。



< 1 / 75 >

この作品をシェア

pagetop