俺と彼女と、ご主人様。【BL】

「すみません。黒くする時、
 髪痛みませんでした?勿体ない」

「そりゃ、ちょっとは痛みましたけど。
 元々痛んでたんで変わりませんよ」


「そうなんですかー。
 でも折角同じなのに……勿体ない」

「周りは大体喜びましたけどね、黒染め」


「いやいや、周りよりも本人が
 どうしたいかでしょう……勿体ない」

「……別に俺だって後悔はしてませんよ」


「そうなんですか?……勿体ない」

「……だって、近づきづらいでしょう?」

それは、金髪のままだと、俺が。
という事だろうか。


「でも俺ごときどうでもいいでしょう?
 ……本当に勿体ない」

「勿体ない勿体ないうざいんだよ!
 どうでもよくなかったんだよ!」

キレられた。
でも、島津さんだし別に対して怖くない。

いつもこんな感じだし、
アンナも膝に頭を乗せてくれているしね!

もしかしたら、黒髪効果も
確かにあるのかもしれない。

でも、知り合ってさえしまえば同じだ。
髪色がどうこうよりも、
アンナと出会ってからだったら、
どんなでもちょっとは仲良くなれただろう
……髪色に嫉妬はしたかもしれないけど。

っていうか、

「そんなにショックだったんですか?!」

俺にビビられたってだけで!


「ショックだったんだよ!」

「どうしてですか!」


「一目ぼれしたからだよ!」

「誰にですか!?」


「お前にだよ!」

「嘘?!」


これこそ、ショックだ。

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