人魚姫の嘘
どうしよう…
私は王子を殺せない
ルナ…
でも、私がどんなに
王子を想っても
私に気持ちが向く訳じゃない
だったら
《…………………》
短剣を、受け取ってしまった
「リース…
死なないで」
そんなの
分からない
たぶん私は…
「じゃあねリース
…また…」
また…か
《じゃあねルナ》
次があるかなんて
私は…分からないよルナ
だって短剣を受け取った
この手が…
まるで拒否しているかの様に
震えるんだもの