幼なじみはだめですか?


「いってらっしゃ〜い!」

「みきちゃん大好き〜行ってきまぁす!」



可愛い可愛い開都を見送り、2階に。






「…健都、入っていい?」




ノックしても声をかけても、鍵を開けてくれない。





「健都くーん、どうしたのー」














「………みき。」











3分くらいしつこく廊下で粘っていたら、急にドアが開いて…弱々しい顔の健都が出てきた。







今まで見たこともないような、
弱い弱い健都。








「………健…?」







「…………………っ…」








健都は無言であたしを抱きしめた、
強く強く。

痛いほどに。




でも、きっとこれは健都の心の痛みに比べたら、どうってことない。


直感的にそう思った。









「……健都………好きだよ」







気付いたら、彼を抱きしめ返しながらあたしは口走っていたんだ。









「好き」

その言葉が琴線に触れてしまったかのように健都は急に私を離れ、あたしをベッドまで連れていった。





「健都?」



「…………好きって…好きってなんなんだよっ」





怖い…でも、なぜそんなに哀しい顔するの…?






「健都、泣かないで…」






健都を抱きしめようとしたその手を握られ、ベッドに押し倒され…
抵抗も虚しく、健都の涙でしょっぱさまじるキスをされ…、そして。

大好きな健都に
最悪な形で全ての“はじめて“を奪いさられた。









「………みきっ…」




「……や、やだっ………やぁ……………やめて」



「……………好き…なんだろ



もっと気持ちいい顔しろよ、」






目の前には
知らない健都が、いた。







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