幼なじみはだめですか?

げんざい *



朝、いつもの時間に家を出ると
そこに健都の顔はなかった。


少し先に見える茶色い猫っ毛。
高校までは陸上部だった脚力で追い抜かしてやるっ!
馬鹿健都め!ふふふ





「おはよ!」

「はよ、…息切れ過ぎだろ」


めっちゃ笑ってやがる!くそっ!
…確かに、ちょっとキツかったけど。


「いや、走るの久々だったし!!!」

「はいはいっ、」



「なんで流すんだよっ!てか先に行っちゃうなんて連れないじゃん!」


「…開と行くかと思って。」


「……そっか」




「………」





なに、この気まずい沈黙。

「……付き合うと、思ってんの?」



「…………知らね」



「………ふーん。


そっちは?」







「……教えねぇー」




なんだ、それ。

彼女できたら1番に報告してくるくせに。





「健都さぁ、」

「なに」

「…バァっカ!!!!」



「はぁぁ!?」




逃げ走るあたしを追いかけてくる健都。
馬鹿みたいだけど、こんな関係が1番好き…

君が私だけを見ていてくれるから。











「…あ…………‥」





少し走ってから健都を振り返ると、必死で追いかけてくる健都(少し運動音痴)



の後ろに自転車でやってくる開都が見えた。






「兄貴、しょぼっ」


「開、乗せてけっ」


「だらしねーなぁ」





開は、私のことが好きなんだろうか。


もし、そうだとしたら…それはとてもとても。



悲しいことだと思う。





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