親愛なるあなたへ
フレンチを食べ終わってお店を出たのが9時過ぎだった。
「さっ家に帰ろうかかすみ」
「うん」
それからしばらく歩いて家についた。
部屋にはコンクール用の楽譜がソファーの隣にいっぱい重ねてある。
「はぁ疲れた〜あっそうそうねぇ孝彦」
「なぁに?」
「はいプレゼント」
「ありがとう」
「香純にもプレゼント」
「ありがとう」
孝彦からもらったプレゼントは昔から欲しかった楽譜だった。
明日は、孝彦が初めて私の実家に来る日。
しかもここに来て3ヶ月が経つ。そういえば明日の早朝に新幹線に乗って行く事になっている。
私は明日の用意を急いでやって寝た。
翌日、朝イチの新幹線に乗った。今日の予定は、実家に帰って孝彦がお母さんに挨拶したらその後にお父さんとおじいちゃんに挨拶にお墓参りに行くだけ。
孝彦は隣で寝ていて私は、ぼんやりしたまま岡山駅についた。そしてマリンライナーで高松まで行くと相変わらず変わっていなかった。
あれもこれもみんな中学時代のままだった。ずっと歩いて私の家に着いた。
久しぶりの家だ。
「ただいまぁーお母さん」
「「お帰りなさい。」」
「上がっていいよ孝彦」「おじゃましまぁす」
「「はい、どうぞ。」」
「あんね、お母さん。この人が孝彦。」
「「ふーん」」
「「いい人そうじゃな〜い」」「うん。」
そして孝彦はお母さんと話した後おじいちゃんとお父さんのお墓参りに行った。そういえばお父さんは私が中学2年の時に亡くなったんだ。一番大好きなお父さん。一回もお見舞いに行ってあげられなくてゴメンなさい。
そういえばおばあちゃんんは今年で97歳だ。
お墓参りの後におばあちゃんに会いに行ってそしてまた神奈川に帰った。
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