四葉のクローバー
「なにが違うんだよ!
 希君とケンカでもしたのか?」

「だから違うって!
 やっぱもういい!」

泣きじゃくるサエを
慎はどうしていいか分からず
思わず抱きしめた。

「バカ!バカ、バカ!慎のバカ!」

そう言ってサエも慎にしがみついた。

少しして落ち着いてきたサエが
慎に言った。

「・・慎、あのね・・
 赤ちゃん・・
 出来たみたい・・なんだ。」
 
「マジ?
 その事希君に言ってないの?
 もしかして、おろせって?」

「バカ!
 さっきから何勘違いしてるの?」

「勘違いって?」

「慎の子だよ!なんで分からないの?
 慎に言えばきっと勘違いするに
 決まってる!
 おろすことも考えたけど
 やっぱりそんなこと考えられないし
 一人で育てる自信もないし
 そんなことずっと考えてて・・。」

驚いた慎だったが、少し間黙った後
サエの顔を見つめながら
そっと口を開いた。


 
 
 
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