四葉のクローバー
「ずるいよ、希君。
 私の言いたいこと、全部言って。
 会いたかった、ずっと・・
 お母さんを理由に逃げたのは私。
 会わなかった間
 自然と忘れられると思ってたけど
 ダメだった・・・
 思いは募る一方で・・
 どうしていいか分からなかったとき
 サエに会って、背中押されたの。
 こっちに転勤になって
 引っ越してから
 会いに行けたんだけど
 怖かった・・
 そんな時
 みさえさんに会って・・
 だから今日
 希君に自分の気持ちを
 伝えようとしてたんだ。
 でも、嬉しかった・・
 まさか同じ気持ちで
 いてくれたなんて
 思わなかったから・・。」

「俺もだよ・・
 だったら早く伝えればよかった。
 こんなに長く
 お互い寂しい思いしなくて
 すんだのにな・・・。」

「うん・・・
 でもその間に
 気持ちがはっきりしてきた。
 私には希君が必要だったって。
 好きなんて言葉じゃ足りないくらい
 愛してたって事が・・。」


二人は『好き』よりも重い『愛してる』
その言葉を口にした・・。

 
 
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