愛のカタチ


返事に困っている私など気にせず、続ける。

「一泊の予定だからさ。明後日には帰って来るよ。
そしたら日曜だし。
行きたい所あるから、付き合ってよ。」

最後の一口をほうばった。

それは、つまり??

「土曜もここにいたらいいよ。」

「………。」

私、しばらく自分の部屋に帰っていない気がする。

「そういえば、林さんの件大変だったな。」

「あぁ、いえ。」

「書類忘れるなんて減給モン、だな。」

「えっ??支店長にそんな権限あるんですか?」

「ある訳ないだろ。」

缶ビールを一気に流し込み、瀬戸さんは鼻で笑った。

そう、だよね。

「聞いたけど、スタジオの人知り合いだったんだ。」

野口先輩との再会を思い出した。

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