愛のカタチ


やはり疲れていたのか、瀬戸さんはギリギリの時間に部屋を出た。

起こしたと私に謝り、また寝たら?とキスをした。

瀬戸支店長がいない社内は、少し静かだった。

客先回りで不在な事はしょっちゅうだか、出張となるとまた違った。

普通は、支店長がいないと気が抜けてダラダラするものなのに。

「何だか、やる気が出ないわ。
いるはずの人がいないと調子狂っちゃう。
瀬戸支店長はきちんと私達の事、見ててくれてるから。」

昼食を取りながら、上戸さんが呟いていた。

本当に厳しいけど、きちんと社員の事を見ていてくれる上司。

ホントは寂しがりで、そして優しい人。

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