BLACK MAN









研究員《益川》は、別室に籠ったまま出て来る気配が無かった。例の“兵”造りに専念しているのだろうか。









「慶縞が何故倒れたかは未だ分からない。……だが今はそんな事よりも優先すべき目的が目の前に立ちはだかっている、我々には。」








再び討論会議室での仕切りを始めた学者《八代》は、ホワイトボード前まで行き関係者全員に注目させながら言った。









牧林は慶縞が寝るベッドの前に置いてある椅子に座っていた。未だ魂が抜けきったような顔をしている。









「慶縞ぁ、すまんな。俺があの黄色い光にびびって第一倉庫から出たりしなかったら……。」









牧林は以前の事に悔やみ、ベッドカバーを強く握った。









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