好き。大好き。
ふわっ

上着に包まれる、私の身体。

柚木の上着は、
あったかくて。

ふわっと甘ったるい匂いがした。

柔軟剤の匂い??

「あ、俺のなんかで大丈夫・・・??」

柚木が気にするように言う。

「別に、大丈夫・・・」

彼の匂いを感じていられるから。

「んじゃ、俺帰るわ!」

柚木が空を見上げて言う。

「あっ、ちょ上着!!」

「また明日返せばいいから!!!」

駅に向かって
彼はかけだしていった。
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