【短編】ヘタレ君のわがままなカノジョ。




「んんー、美味しっ!」




昼休み、俺が作ったお弁当を食べながら君は満面の笑顔を浮かべていました。




「よかった。」





「ねぇ、ハル。」





「ん?」





「朝さ、どさくさに紛れてあたしのことヒカリって呼んだでしょ」





「え…」





はっと思い返してみれば、確かにヒカリと呼んだ気がします。





「わ…、ごめんっ。つい!調子に乗った…っ。もう呼ばないから許して。」





「…いいよ。」





「あ、そう。よかった。」




ほっと胸を撫で下ろすと、ヒカリちゃんは赤い顔をして言いました。





「違うよ。…ヒカリって呼んでも、いいよ。」





「えっ」






「嫌なのっ!?じゃあ、ヒカリって呼んで!お願いじゃないから!命令だからっ!」





真っ赤な顔をして、そういう君は、すごく可愛くて。




相変わらず素直じゃないなって、可笑しくなりました。




「何笑ってるの?」





「別に。じゃあ、“ヒカリ”」





「…っ、な、何?」





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