コレット
‡・バーにて
 そんな或る日…


 週末の夜、レニオはスナックに入った。


 大体なら、職場仲間と飲むレニオだけど…


 時には、仕事の後に1人で飲んだりするのだ。


 カウンター奥の席でレニオは、ジャズのBGMを聞きながらノンビリとグラスを傾ける。


 日頃の雑念を忘れてホッとするひと時である。


 この時だった。


 誰かがレニオの傍へやって来た。


「ねえ、隣の席…空いてる?」


「え?」


 振り返るレニオ。


 そこに立っているのは見知らぬ女性。


 レニオと同じ年頃の上品そうな人である。


「アナタの隣、空いてるかしら?」


「まあ…、空いてるけど…」


「じゃあ、座ってイイ?」


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