変人執事とツンツンお嬢様


もう4月になる。


お花見とか、したいな。




また、ソファーから窓の外を眺める。


七分咲きくらいの桜が、風に吹かれてそよそよと揺らいでいる。





「…お花見、したくありませんか?」

「えっ」




少し近づいてきて、窓の外を見ながら言う「零慈くん」。


私の心が読めるのか、それとも私の脳内が見れるのか

いつも図星。




「そっ、そうか…?まだまだ七分咲きではないか。
花見など…」


「では、満開になるころに。
弥呼さまの新しいご友人もお誘いしましょう。」




(うっ……)



だから、そんなに真っ皿な笑顔を向けられては…


絶対それをわかってやっている執事に、少し悔しくなる。




「そ、そうだな。
…気が向いたら行ってやる。」


「はい。楽しみにしております。」





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