彩-aya-1




早く眠りについて、何も考えたくない。


「姫様、お着替えが終わり次第、お呼び下さい」


ヤナギが部屋から出ると、あたしは着物を脱ぎ、パジャマに着替える。



なんでだろ?


ショウゴ達の声と、笑顔をみたい。


今すぐ、会いたい。



「……ヤナギ、入って来てもいいよ」


「失礼します」


ねぇ、ヤナギ。


聞いて欲しい。

皆の事、聞いて欲しい。



布団を手際良く敷くヤナギに、思い切って声を掛けた。



「ね、ねぇ!」


「はい、なんでしょう」


ヤナギは布団を敷く手を止め、あたしを見る。




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