AZZURRO
彼は
いつもとは違い

どこか表情がこわばっていた


そして

雪乃と目を合わせては
くれなかった…


「3人そろったし。
しっかりと話しつけようよ。」


女の声だけがはっきりと
生き生きとしていた


「アンタ、一体何考えてるの?
うちと子供の事はどうでもよかったわけ?」

「…そうじゃねーよ。」


「だったらこんな女に手を出して…
そうするつもりだったの?!」


2人の会話が
2人が夫婦であるという事を

雪乃に実感させた


「こいつは…雪乃は


ただの…遊びだ…。」



その時
初めて彼と目があった



でも

その視線は


あまりにも冷たく…


鋭かった…
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