AZZURRO
雪乃は自室に帰ってからも

とくにやる事が無く
ただ長椅子に座って永遠と続く砂漠を見ていた



アルヴェス帝国はあんなに緑豊かな国なのに

アレクサ帝国は砂漠の国…

海を一つ挟んだらこんなにも変わるのもなんだ


「退屈そうですね。」

急に声が聞こえて
雪乃は振り返った

そこには
ハビエルが見覚えのない男二人を従えて
立っていた


「ハビエルさん…。」


「姫君のお部屋が用意できましたので
お移りください。」


私の部屋…?


そう言えば昨日そんな事を言っていた気がするけど

「…私はこの部屋で十分です。」


「そんなことはできません。
他国からの姫君。
粗相があっては我が国の品格が問われます。」


…私って捕虜じゃないのかな…?


まるで
来賓みたいな扱いだ…

雪乃は戸惑いながらも
それ以上抵抗することなく
ハビエルに従った
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