AZZURRO
「お待ちください。」

その中で一人
ゆっくりと皇后の前に歩み出る人影があった


「皇太子…。」


ブレイクの姿に
皇后は苦虫をかみつぶしたかのように
顔をしかめる


「恐れながら
皇帝陛下から、財務については私が担当するようにと
直にお声を頂いておりますので

どうか
今日のところは私に免じてお静まりください。」


ブレイクは皇帝陛下唯一の実子
そして
この国を作りし火の民の子孫

貴族での
側室上がりの皇后では

いくら位が上といえど
抗う事が出来なかった


「皇太子がそう言うなら…。」


黙って玉座に戻った皇后は
怒りでこぶしを震わせていた



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