AZZURRO
「皇后陛下が…?」

クリス様によく似た美しく
とても優しい人


「だから、何も心配はいらぬ。
ユキノは笑っていればよい。」

クリスはゆっくりほほ笑んだ

そして
雪乃もつられる様に微笑む

本当にたくさんの人が
私の為に動いてくれた…


たくさんの人が私を心配してくれた…


その人たちの顔を思い浮かべると
雪乃の心がじんわりと温かくなった


誰かに心配をかけてしまうのは
申し訳ない事だけど


でも

心配してもらえるのは


こんなにも嬉しい…


雪乃はそっと胸に手を当てた


ありがとう


この人たちの為に
自分を傷つけちゃいけない…


これからは

自分を大切に…

そして
みんなを大切にするんだ…


雪乃は強く思った
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