AZZURRO
歌劇は優雅なダンスで観客の
姫君や貴族令嬢たちを魅了し


ヒロインの唄声と
重なるハーモニーは
聞く物の心に響いた



雪乃も
あっという間に
歌劇に吸い込まれていったが


三味線と胡弓を
合わせたような弦楽器と


和太鼓のよな響きの
打楽器の織りなすリズムに


何故だか
心が疼き


どこか懐かしさを感じた



あの夢のせいだ…


一人の踊子の舞と
母が舞っていた姿が重なる


『舞いは心
あなたの舞には何も感じない。

本当に私の娘なの?
恥ずかしい。

呆れたわ。』


ズキンッ!!


不意に思い出した言葉に
胸が強く痛む


言葉とともに向けられた
実の母からの軽蔑の眼差し


ズキン…


ズキン…


雪乃は耐え切れなくなって
その場から抜け出した
< 222 / 319 >

この作品をシェア

pagetop