AZZURRO
きれいにメイキングされたベッドを使うのは忍びなく

雪乃は長椅子に腰かけた



民族模様が織り込まれたカバーのかかったクッションを背中に挟み

もう一つは
胸に抱いた



窓からは
街を一望でき


遠くの海面が
月明かりを浴びて黒く輝き揺らめいている



静かな夜だった



これから…
どうなるんだろう…


私は…どうしてここにいるんだろう…
< 33 / 319 >

この作品をシェア

pagetop