AZZURRO
翌朝


クリスは雪乃の部屋を訪ねた


長椅子に座ったまま
クッションを抱えるようにして眠る

まだ幼さの残る雪乃の頬には絶え間なく涙が流れていた




「お前は…何をそこまで悲しんでいるのだ?」



そっと
雪乃の髪を鋤いて


クリスは部屋をあとにした
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