AZZURRO
「だが
処罰は与える。

ユキノ付きの女官としての
住み込み労働を命じる。

もちろん
給金も出すし
ケシャの兄弟たちの
住居も今よりいい所に移そう。」


ケシャは信じられないといった表情で
クリスを見つめていた

その眼には
大粒の涙が溢れている


「ケシャ…
ユキノは私の大切な娘だ。

ユキノに…生涯の忠誠を誓えるか?」


大切な娘

その言葉に雪乃の胸が締め付けられた

何を言っているのだろう…

私が大切だなんて…

それに

私に生涯の忠誠って!!?

雪乃が口を開こうとした時すでに遅く

「…心より…
心より…クリス様とユキノ様に…
命をかけて…忠誠をお誓いいたします。」


ケシャは深々と頭を下げた
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