AZZURRO
その夜

雪乃を除くクリスの側近とケシャが
クリスの書斎に集まった


「…で?
あいつらは何か話したか?」

クリスの言葉にポールが頭を下げる

「申し訳ありません。
猿轡をはめたのですが…
全員自害しました。」

「困ったな…。」

クリスが言葉を詰まらせてていると
ジャンが口を開いた

「…恐れながら、
ユキノ様の存在は私たち側近と使用人など
限られた人物しか知り得ません。

そのような中で
わざわざ宮殿にまで入ってきて
ユキノ様を攫おうとするのは…」



「皇族に通じた
権力者の手引きがあるか…。」


「御意。」

その言葉に
全員絶句する



「…しかし
なぜ…ユキノを狙おうとする?」


「ユキノ様は異国の御方…。
それが珍しいのでは…?」

ケシャの言葉をゴルチェが否定する

「だからって、クリス様の寵妃様を
奪い取ろうってうのはリスクが大きすぎる。」

その場にいた全員が顔を見合わせた
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