*片翼の天使*
第一章

思い出


ナズナとハルトは、家が近く、いつも一緒で仲が良かった。
保育園の時からの付き合いで、いわゆる“幼なじみ”というやつだった。







今から8年前の春……。


小学3年生の時。

学校でハルトに呼び出されたナズナ。

体育館裏に咲いている満開の桜の木の下で……。


「ナズちゃん、好きだ! 結婚して!」


幼きハルトの決死の告白だった。
黙り込んで、少し考えたナズナの答えは、


「うんっ! 」


……イエスだった。


ハルトは、満面の笑みになった。


「ほんとのほんとにいいの?
やったぁ! 約束だよ!」


ハルトが、小指を出し、ナズナの小指に自分の指を重ね、指切りをした。


「うん! ナズナもハル君大好きぃ! 約束!」



こうして2人は将来を誓ったのだった。


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