*片翼の天使*

球技大会本番


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球技大会1日目が、終わって、うちのクラスは、テニスダブルス男子が優勝と、大健闘だったらしい。
あたしは、寝てたから知らないが……テニスは、かなり盛り上がったらしい。
うちのクラスは、他の種目は、駄目だったようだ。




球技大会2日目。
10時から試合だったナズナは、10分前に、体育館に入った。
体育館は、2階建てで、1階にバスケコートやバレーコートが張れるようになっている。
2階は、少し狭めで、卓球台が並んでいて、主に卓球をする場所である。
今日は、1階では、バスケの試合、2階では、卓球の試合が行われる。因みに、サッカーの試合は、野外の校庭で行われる。



あたしは、体育館の2階に行った。
体育館2階は、卓球に出る生徒で、いっぱいで、熱気が溢れていた。
係りの生徒が、トーナメント表を持ってきた。

あっ……トモカとユウナがいる。

「おはぁ」

トモカが、挨拶をする。とても眠そうだった。

「おはようございます」

朝から、お嬢様オーラ大放出のユウナが、笑顔で言った。

「おはよ。
あのさ……ユウナ、この間は、あんなこと言って、ごめん」

あたしは、頭を下げた。

「頭を上げて下さい。
いいんです。ナズナちゃんの、本心でないことは、分かっていましたので」

ユウナは、ニッコリ笑った。



ユウナ……。


「ありがとう。
あと、嫌がらせの犯人探してくれたんだって? トモカから聞いた。サンキューな」

あたしは、ユウナの気持ちが嬉しかった。

「あっ!
トモカちゃん言ってしまったんですか?
言わなくて良いって言いましたのに」

ユウナは、ちょっと照れ臭そうだった。

「いいじゃん! 事実だし」


トモカが、トーナメント表を見ながら言った。
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