雑用ガール
02,今日からよろしく
「きょうこ?」
「ひょ・う・こ」
「変わった名前!」
「よく言われる」



涙の卒業式も、無事に終わった三日後。
あたしは合格発表を見に、志望校へ向かった。


『あ、あった……』
『うちも!うちもあったよ、豹子!』



尚美も同じ高校を受験しており、見事に二人で合格をした。



そして、あっという間に入学式は訪れた。
尚美とはクラスが離れてしまったけれど、新しい友達ができた。 



「あたし、飯野沙羅紗!沙羅紗って、呼び捨てでいいよ!きょうこちゃん!」
「だから、豹子だってば」


飯野沙羅紗。
沙羅紗は、出席番号があたしの次だ。



「豹子ちゃん、今から部活動紹介だって」
「だるいねー!ってか、あたしのことも呼び捨てでいいから」
「豹子ちゃん、部活入る?」
「………まぁ、一応」



こいつ、人の話聞かないタイプだ……



「まぢ?ね、何部?」
「分かんない。でも、どっかの部活のマネージャーになるつもり!」
「あたしと同じだー!あたしね、バスケ部のマネジになんの!」



沙羅紗は、可愛らしい目をきらきらと輝かせた。



「へー。そうなんだ」
「うん!」
「一年二組の皆さんは、廊下に並んでください」



声のするほうを見ると、生徒会っぽい人がドアの前に立っていた。



「うわ〜……、豹子ちゃん、あの人ダサくない?」
「ん…、」



沙羅紗は、その生徒会っぽい人を指差しながら馬鹿にしたように笑った。



(確かに、かっこよくはないけどさ)



小太りだし、眉太いし。



「それでは今から、体育館に向かいます。僕のあとについて来てください」



わらわら、と小太りについていく。



「豹子ちゃん、まだ何部か決めてないんでしょ?楽しみじゃない?」
「すっごい楽しみ!」



< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

雑用ガール
市松/著

総文字数/0

コメディ0ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop