magnet
一年生の教室だと確認して扉を開ける。
小さな物音を立てて扉を開くと当然の如く湊の姿。
今の今までやっていたのか机にはプリント、手にはシャーペンを持っていた。
それに加えるなら目を丸くしている。
「来て、くれないかと思いました」
「何で?」
「何となくです」
私の周りにいる人はどうしてこう鋭いんだろう。私が分かりやすいのか。
確かに行かないで愛架といようかと何度か思いはした。
それでもここにいる。私は……
「――さっさと終わらせようか」