モテる弟をもつ双子の姉の地味子の物語

「いや、いいよ。理子さ、理子が家に帰る時間

遅くなると思うし・・・。」

「全然大丈夫よ、それに、正直・・・

遥君のこと、気になるんだ。」


「え?」

理子は遥を上目使いで見上げた。

遥は驚き、目を見開いて彼女を見る。


「そ、そうなんだ。」

遥はすぐに視線をそらし、なるべく理子を見ないようにした。

「もー、そっけないなあ!だから、意地でもついてくからね!」

「はあ!?」

それとこれとは話が別だろ!と反論したが聞いてくれそうにない。

遥は大きなため息をついた。


さすがに、海はすでに家にいるだろう。

鉢合わせになる確率は少ないと思う。


「で、どっち?」

「・・・右。」

遥はあきらめて、おとなしく家のある場所を教えた。

右にまがり、さらに進んでいく。


「あれ。」

「え?あのおっきい家?」

「大きいか?普通だと思うけど。」

「あたしの家よりはデカいよ!・・・って、あれ?

あれって、遥君と同じクラスの三守冬樹くん?あの

隣にいる女の子・・・誰?すっごく美人!」


「えっっっ!?」

遥は焦った。

そして大きく目を見開く。

どうして海が可愛くなっているんだ!?

どうして冬樹と一緒にいる!?


あまりの海の変貌に理子は彼女が海だときづいていないらしい。

そこはよかった。
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