モテる弟をもつ双子の姉の地味子の物語
「私が行ってもいいの?
停学中だし、それに、・・・。」
それに、と言いかけて海は困ったような表情で考え込む。
「私なんかが行って、大丈夫かな?」
「お前、変わるって言ったのにそのマイナス思考ダメだろ。」
「ご、ごめん。でも、本当にいいの?私停学中だよ?」
「いいって。許可あるし。
で、いけるの?いかないの?」
遥は海に視線を向ける。
少しためらいがちに彼女は口を開いた。
「行きたい。」
「おう。」
遥は返事をして、満足そうに微笑んだ。
「冬樹も来るよ。」
「え!?冬樹くんも!?」
海は嬉しそうな表情を見せる。
それを見て少しムッとした彼はそっけなく、
「やっぱり冬樹の事好きなの?」
と問いかける。
戸惑いを見せた海だったが、ほんのり頬を赤く染めてこくりと頷いた。
「で、でもね、まだよくわからないっていうか
憧れみたいな感情もあるからっ///」
自分でもわかんない、と慌てて話す。
「でも、好きな人ができたら遥に一番早く言うからね!」
「・・・うん。」
「大切な友達でもあるし、家族でもあるから。」
ズキン、
嬉しい反面、胸が痛む。
遥はそれがバレないように ありがとな と苦笑した。