短編小説集*イベント編*
やっと会えた…

康平くんにやっと会えた…

私は康平くんに抱きついていた。

康平くんは私を優しく受けとめてくれた。

「ちゃんと康平くんの願い事守ったよ…」

「……えっ?」

康平くんは驚いたような声を出した。

「“俺が帰ってくるまで里奈が誰のものにもなりませんように”でしょ?」

「読んだのか!?」

最初よりも熱を帯びた彼の体。

「えへへ…」

「…待たせて悪かったな」

私は彼の腕の中で頭を横に振った。

「帰ってきてくれたからいいよ…」

「ただいま。大好きだよ里奈…」

「私もだよ…」

今日は七夕。

織姫様と彦星様が天の川の上で結ばれる日。

天の川の下で私と康平くんが結ばれた日。

ありがとう…
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