山あり谷あり谷あり…そして…
だって、5時間程でボトル3本空けるのは少ない方だったから…

鼻に煙草を突っ込んで吸った後、口から煙りを出したり…カラオケをもり立てる為に、タンバリンを叩きながら踊り盛り上げたり…歌の合いの手で下ネタを入れたり…夜の世界で爆走していました。

給料とチップを合わせ、月に100万前後は稼いでいたのです。

店のお客様から

『事務員探してるんやけど、来てくれへんか?』

と声を掛けて頂き、経験した事がないので、どんなものかと引き受けました。

朝は事務員、夜はスナック嬢、合間に音楽講師…
訳が解らない程、仕事をしていました。

そんな、ウチの環境に、父は良い顔をしなくなり、スナックに嫌がらせをしにくる様になったのです。夜の世界は男性相手…しかも、酒が入った男性相手…良い気はしないとは思うが、営業妨害にもほどがある…

でも、ママは

『大丈夫だから、おいでや!』

と声を掛けてくれました。

でも父は、仕事と言え、娘は朝から夜中まで家にいない…母は、相変わらずパチンコ三昧…

寂しさに耐えかね、仕事も上手くいかず、自分の中でどうしようもなくなったのでしょう…

ある朝、母が

『ちょっと来て!!洗濯干場に早く来て!!』

と慌てたように、呼びに来ました。

ウチが行くと…そこには…

父が首を吊っていました。

病院に運びましたが、脳死状態だったのです。

母は、ウチにも相談なく、安楽死をしてしまったのです。

唯一、血の繋がった…傍にいる肉親を、母が死なせたのです。

許せない!!許せなかった!!

ウチは、事務員をしてる会社に出入りしている人から、アプローチを受けていたので、家を出たい!母の傍にいたくない!思いから、その人と結婚する事にしたのです。

勿論、スナックと事務員は辞めました。

一つ悩んだ事がありました。その人は、25歳年上だったのです。

戸籍上、綺麗に離婚されていましたが、事実上、子供が3人…孫が7人いました。

同居の心配はなく、二人だけの生活が出来ましたので、開き直る事に…

正直、複雑でしたけどね…
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