十人十色~君の声を聞かせて~
「……何やってんだろな俺は」
うざったいならほっとけばいいのに、何故かアイツはほっておけない。
「同情、かね……そんなもん迷惑なだけなのに」
1ヶ月前まではメイドやら執事やらに囲まれて、世話されっぱなしで育ってきたんだ。
それが突然ひとり暮らしで。
家事なんてできるはずがない。
「隼人の作るご飯はいっつもおいしいねー!」
「……そりゃどうも。早く食えよ、遅刻するぞ」
「はーい」