十人十色~君の声を聞かせて~
ひらめいた、ひとつの名前。
「空須くんって、どうかな?」
「からす……?」
「今日最初に出会ったとき、肌が汚れてて黒くなっててさ、ゴミ漁りしてたし! カラスそっくりだなーって、密かに思ってたんだ!」
「…………」
「あ……もっとカッコいい名前がいいよね。しかも名字みたいだし……じゃあ別の名前……」
「いや、それでいい。気に入った」
ホームレスくん……改め空須くんがいった。