水色王子とピンク姫


……文化祭から今まで、雪佳と話してはいない。


もしかしたら目も合わせていないかもしれない。


前より関係が断ち切られてる気がする。



今度こそ、本当に“幼なじみ”から“他人”になっちゃったんだ……。



「ファイトだよ姉ちゃん!」


「そうだよお姉ちゃん!」


日向と葵がニッコリ笑う。


「うん」


あたしも微笑む。


……あれ。


あたし、ちゃんと微笑んでるのかな?


洗面所に行き、鏡を見る。


「…よかった」


口の端が上がってる。


ってことは笑えてるんだ。


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