REAL HOPE Ⅲ
「山田さーん!!衣装なんだけどさぁ、うちのお姉ちゃんキャバで働いてるからドレスかりられるし、スーツはホストの友達に借りられると思う!!」
「あっ本当?ありがと~」
おいおいおい、まぢで?
私キャバのドレスとか着ちゃうの?
端に寄せられた机に座りながら皆の仕事を見物していると
ブーブーとバイブした私の携帯
ディスプレイには【レツ】の文字
私はピッとボタンを押すと、携帯を耳に当てた。
『今日お前何時に終わんだ』
あっちから聞こえてくる声は、地声より低く感じる。
「うーん、分かんない。夕方とか?」
『夕方か。俺とハルマは迎えに行けねぇから、帰るときツカサに電話しろ』
「はーい」
私は電話を切ると、そのままアドレス帳をミサキへと持っていった。