HELLO
「知り合いの探偵に頼んで、お前たちのことを調べたんだ。

結果はただの幼なじみ、だからホッとした」

片桐…。

彼は顔をおおっていた手を離すと、私を見あげた。

その瞬間に視線がぶつかって、ドキッと不覚にも私の心臓が鳴った。

「さっき言ったことは、全て本当だ。

女との関係はとっくの昔に切れてるし、誰とも過ごしていない。

杏樹を手に入れるために、全員手を切ったから」

そう言った後、片桐は私に向かって頭を下げた。

「杏樹、俺と結婚を前提につきあってくれ。

頼む!」

その様子から、片桐の言うことは本当だと言うことがわかった。
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