HELLO
「なあ、杏樹」

片桐が私の名前を呼んだかと思ったら、床に頭をつけた。

えっ?

これって、土下座?

そう思っていたら、
「俺と、本当につきあって欲しい。

結婚を前提に、俺とつきあって欲しい」
と、片桐が言った。

片桐…。

正直、私は何も言えなかった。

土下座してまでそう言われたのは初めてで、何も考えることができない。

「本気になったのはお前だけ。

だから、どうしてもつきあって欲しい。

正式に、俺の恋人になって欲しい」

そう言っている間、片桐は頭をあげなかった。
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