愛した記憶
それからたくさん話すようになって
私も目立つ存在になっていった。

『なぁ、西川。もうすぐ席替えだな。』

このとき少しいやだと思った。
まだ隣にいたいと思ったんだ。

「私と離れたら寂しいでしょ?」

冗談でいったのに
貴方は真顔で頷いたよね。

ほんとに些細なこと。
でもそれが積もると大きなものになる。
私の中に貴方
というものが積もりはじめた――――。

< 4 / 19 >

この作品をシェア

pagetop