☆ハイローハート
「なーにしてんだよ、怪我の多いヤツだな」

恨めしげに見上げると、あきれたように眉をさげて笑っている理一と目が合った

「わ、お前その位置から見上げてくんなよ、なんか、エッチい」

楽しそうに笑いながら、アタシの二の腕をつかんで立たせてくれる


「で、ピンクうさぎに免じて、またWOWOW見せてくれる?」

「あかん」

「……ケチ」

「ケチとかっていう問題じゃないもん」


ぷいっと顔をそらしたのに、ドアをあける音がしてあわてて呼び止めた

「あ、理一」

「ん?」

「アタシな、男が絡んだ女のいさかいが苦手やねん……別に、理一のことが嫌いなわけじゃないから」

「うん、わかってる、大丈夫」


理一は、何をわかっていて、何を大丈夫だと言ったんだろうか
でも
たとえ
気休めだったとしてもその効果は絶大

アタシを焦がす香水の匂いを少し残して、彼は部屋をあとにした

鍵をしめてチェーンをかける


深く吸い込んだ息に今日一日の感情を全部つめこんで、大きく吐き出した


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