☆ハイローハート

『理一のして欲しい事、全部してあげる』

何度その声の幻聴を聞いただろう

みさきの唇が座る俺のひざに押し当てられて、そこから出てきた舌がうちももをなぞりながら上へと移動してくるのを眺めていた光景

彼女の髪がその表情を隠すから片手で髪を持ち上げると、白いうなじが露出して……
カーテンの隙間から入る月光をクロスのネックレスが反射していた

折りたたまれた長い足
太ももに明らかな存在を主張する傷跡が、みさきのキレイな足をますます引き立てているかのようだった

その時、俺は確かに思っていた

俺なら、彼女のこの傷ですら受け入れられるーーと

足の間に顔を埋めるみさきの肩をつかむと、ベッドに接する壁に彼女の背中をぶつけるように起こした

「んっ」と驚いたように俺の腕にしがみついた細い指

体全体で押さえつけて彼女の後頭部を壁に押し込むようにキスすると、逃げ場がなくて俺の肩をたよりない力で押し返してくる

その両手に指を絡ませるとギュッと力が込められて、またみさきが息苦しくなるまで舌を吸い息を奪い取っていた

合わさる胸が彼女の鼓動の早さを感じ取る

苦しくなって閉じたみさきの目にまた涙がにじむ

眉を寄せてかすかに首を振り苦しさをアピールしてくるから、握り合っていた手をほどいて顔をのぞきこんだ

潤んだ目と目が合うとがまんできなくて、腰を持ち上げ俺の膝の上に強引に乗せた



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