☆ハイローハート
みさきが留学してから半年以上が経って、あともう半年もすれば帰って来るってわかっているのに……

不安で仕方がないのは、俺がみさきにした事、言った事、全てを許してもらえていないからだ

いっその事思い切って電話して「ごめん」と言えば……

そこまで考えていつも断念してしまう

電話して伝えたって、みさきは明るい声で「いいよ」って言うに違いない

そして「そんなの気にしなくてもいいのに」って言われて、俺はその後の言葉に困るんだ


俺が自分の中にあるみさきへの思いに気付いたというだけで、周りは何一つ変わっちゃいない

さやかにだって何も伝えられていないし

俺とみさきの関係もあの日で止まったまま


みさきは……

彼女は何で俺を家に入れてくれたんだろう

WOWOWを見せてくれるため、だけに?
俺が手土産にお菓子を持っていくから??

少しでも、俺の事……好きだったり、した??


年が明けて三学期がはじまった授業中そんなことを考えていると、耐え切れない胸の痛みが襲ってきて机に突っ伏した

イッタアァァァー……

窓際の席

外を見ると真昼の月が見える


俺は机に頬をくっつけて全身の力を抜き

ぼーーーっと白い月を見て……眠気に襲われた


みさきと初めてチューしたのって、いつだっけ

なんで、チューしたんだっけ

やたら何回もチューした記憶はあるんだけど

しかもチューしたら必ずアイツ、びっくりしてたような……


っつーか、みさきを驚かせたりいやがることするのが楽しかったっけ


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