☆ハイローハート
「彼氏は特別扱い~??」

ナルのにやにや顔で、あこは気を取り直した

「あんた達みたいに、とよきは煩悩まみれじゃないもん」

……いや、今まで満たされなかった分、今一番煩悩まみれになってると思うけど

とよきはあこの部屋から出てきもしないし


靴を履くとナルが一言

「煩悩っていうか、今までのとよきの気持ち受け止めてやってよ」

「え?」

眉を少し動かしたあこ

俺はあこにちょっとだけ顔を寄せると「6年分だから、大変だと思うけど」と伝えると、ナルが“イエ~イ”と俺とハイタッチ


……これがナルのいう“あこには今までヤラれっぱなしだったけど、ゆするネタができた”ってやつか


とほくそ笑んでいると、あこが「理一」と微笑んで俺を見ている


……ぎくっ

なんか、これ以上の持ち手があるんじゃねーの?


「MJにみてもらう?」

「……へ??」


すっげー覚悟したから、あこの言葉は拍子抜けだった

「MJに言われたこと、全部あたってるんでしょ?
アタシにはわからないこと、MJならきっとわかるよ??」

「…………」


……確かに、ミスドで初めて会った時に言われた言葉は全て現実となって俺を押しつぶしている


「そのかわり……MJはモロを傷つけた理一の事、死ぬほど嫌ってるけどね」


……マジですか?
じゃあ、……汚名返上のチャンスを

「見てもらおうかな……」

「了解、MJの予定きいて、また連絡するね」

と、言うとバイバイと手を振られて、あっという間に外に追い出された


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