☆ハイローハート
午前中の部活が終わって13時前

クソ暑い中のサッカー部の練習でナルも俺もグロッキーだっていうのに、一人水泳で涼しいとよきはさっきコンビニで買ったポテトチップスをもくもくと食べている

……見てるだけで気分悪くなってきた……

「どーすんの、この後」

電車の中でシャツをパタパタして体に風を送り込むけれど、不快指数はかなり高い


「俺、風香ちゃんと花火大会行くから、一回帰ってシャワー浴びて涼んでちょっと寝る」

「俺もあこと出かけるから一旦帰る」


んじゃ、俺は家帰って不貞寝決定

夕方に、みさきにメールしよっかな……

デートじゃなかったら花火見に行ったり、とか


「ひまなら、あの巨乳ちゃんと遊べばいーじゃん」

とナルに言われて眉をしかめた

「ろくなことねーから、やめとけ」と速攻とよきに止められる

そうだね、俺、超絶欲求不満だし

まずいね

別に巨乳好きじゃないけど、全然

でも近くにあると見ちゃうし、全然


家に帰るとまずシャワー、母さんが作り置いてくれていた食欲減退時の非常食、冷やしうどん温玉たまのせを食べると部屋でベッドに寝転がった


ケータイをカバンからまさぐり出すと、メールを受信している


――今日のご予定はどうなりましたか?
もし空いていたら花火大会一緒に行きませんか?

とよきに言われたからってわけじゃないけど、どうしてもゆりかちゃんとは出かける気にならなかった

タイプがどうとか巨乳とかそういう事じゃなくて、一つの方向に定まっている俺の感情が横道にそれないだけ

わき見しないように……って注意してるわけじゃないけど、他の女が目に入らない


――まだ前の彼女と別れたばっかりでそういう気分にならないから、ごめんね

と当たり障りなく返信して時間を見ると14時半

夕方になったらみさきにメールしてみようと決めて俺は目を閉じた

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