☆ハイローハート
あこは何かを考えるかのように視線を動かしている

「束縛、なんだけど……
きっとそれが愛情表現だと思ってると思う」

「ふ~ん」


束縛されるのがいいか、放置されるのがいいか

あこは一瞬でその問いに答えを出した

「今は、好きだからいいの」


……そーゆうこと!






×××××





午後の授業開始ギリギリに教室に戻ると、机の上に見慣れないシャーペンが置いてあった

「ん?」

と手にとって改めると、トップについたセサミストリートのキャラクターの首がユラユラと揺れる

間抜けな動きでかわいい

はしっこにサインペンで署名されてある


――MJ


……MJ?

……M と J ?


「えっ!!!」

思わず驚いた声を上げるとあこがアタシの手元をのぞきこんだ

「あこ、……MとJや」


あことアタシの今月のラッキーアルファベット


ガラガラと扉が開き先生の声が聞こえてきて、アタシ達の会話は強制終了



アタシはそのシャーペンを意味ありげに机の中にしまいこんだんだけれど

一時間後には、すっかりその存在を忘れていた



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