☆ハイローハート
その日はやたらめったらずっとケータイでメールしっぱなしのMJ

休み時間のたびにケータイをチェックしている

アタシはというと、そんなMJの姿も気になっていたけれど……上空にとどまる雲と低空を流れる雲が不思議だな~って眺めていた


上空には風が吹いてなくて、低空には風が吹いているってこと??


背後であことMJが会話をしている


「あこが私のメールアドレスを教えるからだわ」

「は?」


流れる雲と流れない雲

反対に窓の下を見ると、花壇に花が咲いている

黄色のすみれと青のすみれ

花を咲かせていない緑の葉

首の下に存在する青いバラが呼応したように感じて、右手の指先をそっと首にあてがった


背後の2人の会話を聞くともなく流していた


「何これ、なんでMJが理一の味方してんの?」

「味方じゃないわよ、一般論を教えてるんじゃない」

「アタシが理一に助言したら鬼のように怒るくせに、自分だってメンドーみてんじゃん」

「見てないわよ、ってゆうかこんなメールをずっと送ってこられる身にもなりなさいよ」

「わざわざ返信するからでしょ」

「そもそもあこがアタシのメールアドレスを教えるから」

「あれは、理一がMJに本を返すっていうから教えただけ!」



……ん?

段々とエキサイトしてきた声にアタシはようやく振り返った


「……どーしたん」


MJとあこは一瞬だけこちらを見たけれど、アタシの質問は無視

「大体人のメールアドレスを勝手に教えるなんて、モラル違反よ」とMJがケータイをバンッと机に置くと

「じゃあ、理一に“もうメールするな”って言えばいいでしょーが」とあこが応戦した

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